【用語解説】アルファベット順


当ブログにて頻繁に言及される、脳科学や心理学用語の意味についてまとめました。
こちらのページは英語、またはその頭文字で表記されている用語についてですので、カタカナや漢字で表記されている用語については、五十音順を参照して下さい。

【fMRI】(functional magnetic resonance imaging)

強力な磁気によって、脳内の神経細胞の活発化に伴う血流量の増加を捕捉し、それを画像として表示する装置。
通常のMRIでは、磁場の中に置かれた細胞中の水素原子核に電波(マイクロ波)を当てて、原子核の「運動の戻り」を計測する事によって画像化しているが、fMRIの場合は、脳内の神経細胞の活発化に伴う血液中のヘモグロビンの化学的変化を計測して画像化している点が異なる。


1990~1992年にかけて、日本人化学博士である小川 誠二氏が、fMRIの基礎原理であるBOLD法 (Blood Oxygenation Level Dependent) を確立した。

[参照]
-磁気共鳴機能画像法(fMRI)の仕組み-
http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000500/hpg000000495.htm

【Functionalism】(ファンクショナリズム)

直訳すると「機能主義」という言葉になり、これだけでは、一般の人間は何の分野に関する名称なのか判らない為、昨今、日本では特に「脳機能学」と呼んで紹介されているが、そもそもはアメリカの心理学界に於いて「行動主義」(behaviorism)と双璧を為した学派の名称である
認知心理学に組み込まれた現在の機能主義は、簡単に言えば「脳と心をセットで扱う学問」であり、その歴史は浅いものの、これまでの脳神経学と心理学の乖離を埋める存在として、今や最も注目を浴びている学問分野の一つである。

心理学に於いて、機能主義以前に主流派であった「行動主義」(behaviorism)は、ヒトの行動(出力)を決定づけるのは、遺伝子や環境、教育といった情報(入力)によるものであり、心的状態(喜怒哀楽や性格)はそこに決定権を持ち得ない、とする立場である。
例えば、誰かが食事をしている場合、それはその人が空腹という「身体的な情報」を検知した事に対する反応として、食事という行動を取ったのであり、その際に笑顔で食べていようが険悪な表情で食べていようが、食事をするという反応には影響を及ぼし得ない、と捉える。

それに対して、機能主義は「心とは、生物が環境に対応するべく獲得した機能(の中の一つ)である」とする点が大きく異なる。
先の食事の例で言えば、誰かが嬉しそうな表情で意欲的に食事をしているのであれば、それは食事本来の「栄養を補給する機能」だけでなく、それと同時に「この料理は美味しいですよ」という情報を周囲に明示する為の、「情報を伝達する機能」をも果たしている、と捉えることができる。

[参照]
-スタンフォード哲学百科事典-
http://plato.stanford.edu/entries/functionalism/

【LUB】(least upper bound)

日本語では「最小上界」と表記される、いわゆる数学の最小公倍数の事であるが、苫米地 英人氏はこれを抽象概念にも応用し、情報的な視点を高める「抽象度」の説明と共に、釈迦が悟ったとされる「空」の概念を定義、説明する為に用いている。
(抽象度についての解説は五十音順を参照)

この定義に従うと、例えば「犬と猫のLUBは哺乳類である」「鉛筆と消しゴムのLUBは文房具である」と捉える事ができる。
ただし、注意しなければならないのは、ここで言うLUBとは、あくまでも任意の二者(あるいはそれ以上)を包摂する「上位概念」の事であり、必ずしも具体的、機能的な「共通点」を有するわけではない、という事である。
先の例で言えば、犬と猫のLUBは哺乳類であると同時に「四足歩行」という機能的な共通点をも有するが、鉛筆は「書くもの」、消しゴムは「消すもの」であり、そこに機能的な共通点は無い。

[参照]
-「空」を定義する ~現代分析哲学とメタ数理的アプローチ-
http://www.tomabechi.jp/EmptinessJapanese.pdf

【RAS】(Reticular activating system)

日本語では「脳幹網様体賦活系」(のうかんもうようたいふかつけい)と表記される医学用語。
一般には用いられる事の無い、非常に難解な専門用語である。
大雑把に述べると「覚醒時の意識状態の維持」を担っている機序、つまり「正気を保っていようとする仕組み」の事であるが、その影響する範囲は大脳はもちろん、自律神経系の調節や「感覚のゲーティング」まで多岐に渡り、今なお研究途上の段階である。
感覚のゲーティングとは、例えば映画館で映画を観覧している最中のヒトは、専ら視覚と聴覚に意識を集中させており、自分が座っている椅子や背もたれの感触(触覚)を感じていない場合が多い。
このように、その時点での「重要性の高い情報」に意識を向けて、その他の感覚や情報を遮断する事により、最大限の効果を得ようとする仕組みであると考えられている。

《Copyright》本村 啓介

[参照]
-Wikipedia 英語版-
http://en.wikipedia.org/wiki/Reticular_activating_system

-脳科学辞典-(理化学研究所 脳科学総合研究センター編纂)
本村 啓介 脳幹網様体賦活系
http://bsd.neuroinf.jp/wiki/脳幹網様体賦活系
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