私が鬱病になった経緯【3】

ある日、夜勤が明けて帰宅する途中、スクーターのハンドルを握る手がブルブルと震えているのに気付きました。明らかに「寒さとは別の震え」です。

震えは次第に大きくなり、とてもとても家まで辿り着ける自信がありません。
そんな事態に陥って初めて、私は自分の心と身体が「不調」の域を超えて、「病気」のレベルに達してしまった事を悟りました。

それでも何とか慎重に運転して我が家の玄関に転がり込むと、私は保険証を掴んで迷わずに精神科に向かいました。

「うん、典型的な鬱病ですね…」

精神科医

自分が抱える症状を何と言って医師に説明したのか、今となっては思い出せません。
ともかく、処方された薬を抱えて帰宅した私は、明日から職場でどういう風に振る舞うべきかと考えていました。

薬を飲む場面を見られないようにして隠し通すか??
それとも、全て正直に説明して業務の負担軽減を願い出るか??

どちらとも決められぬままに、翌日、会社に向かったわけですが…

まぁ、この時点で気付けよって話ですよね。
隠そうとしたって、もはやまともに業務が遂行できないって事に。

はい、始業のブザーが鳴って、担当する持ち場に着いた途端、再び手が震え始めちゃいました。
アッと言う間に「不良品製造担当」状態ですww

もちろん、現場主任がティラノサウルスみたいな顔してスッ飛んできたわけですが、風邪をひいて身体がダルいと言い訳して、その日は大目に見てもらいました。

しかし、帰宅した私が退職を決意した事は言うまでもありません。

翌日、会社には行かずに係長に電話して退職したい旨を告げると、「とにかく、今日は休んで明日詳しく説明しに来い」とだけ言われました。
渋々、言われた通りに事務所に行き、係長に医師の診断書を見せた上で「治療に専念したいので退職させて下さい」と言ったわけですが…

「退職したって、その後の生活はどうするんだ?」
「おまえにも家庭があるんだろう?なんとか、様子を見たらどうだ??」

保留ですよ、保留(°Д°;)ソンナァァァァ

当然、退職を願い出た事は現場主任にも伝わり、不動明王みたいな顔して私に詰め寄りました。

「どうして、先に俺に相談しねぇんだ!?」

この時、私の頭の中で「パチン」という音が鳴りました。
いえ、「ブチッ」ではありません、「パチン」です。
この時点で、私はやっと「ある事」に気付いたわけです。
あまりにも遅い気付きでした。

普通に考えて、鬱病の引き金となった当の本人に相談などできる筈がありません。
なのに、この現場主任は真顔で私に言うわけです。

使い古された表現をするなら「世代の違い」「仕事への取り組み方の違い」とでも言えばいいんでしょうか。
苫米地流に言えば「支配者の論理」ですね。

そう、この現場主任は100%本気で…
私の事を「育てていた」「鍛えてやっていた」と思っていたわけです。

さて、退職騒動から暫らくして社内で人事異動があり、その現場主任は他部署の係長に就任しました。
私の件とは何の関係も無い、定期的な人事異動です。

もちろん、その後も薬だけは急に止めたりしないように医師から言われていましたので、半年ぐらいは薬を飲み続けましたが、新しく就任した現場主任は「残業なんてしないで、サッサと帰ろうね~♪」という飄々とした人だったので、私は快方に向かいました。
正社員登用試験にも受かって、めでたくボーナス満額貰える身分にもなりました。

まぁ、実際にはその後、今度は家庭の中でゴタゴタがあって、ぶっちゃけ鬱病が再発しちゃったわけですが…
それは、またの機会に…


EmoticonEmoticon