【書評】なぜ、神は脳を創ったのか?


以下、アマゾンに投稿したレビューです。

5つ星のうち 5.0 もはや、絶対者に縋らなくていい2011/5/2
投稿者 安井 真守
1ページ、1ページと捲る度に新しい事実を知らされて椅子から転げ落ちそうになり、とても最後まで、座ったまま大人しく読む事はできなかった。
目から鱗どころの話ではない、目玉そのものが落ちる思いだった。

その切り口の広範さは、単に多数派としてのキリスト教の光と闇の追及に留まらず、
「ヴェルナー・ハイゼンベルグの不確定性原理」(117ページ)
「ゲーデルの証明不能命題」(133ページ)
という、科学者、数学者が宗教界に与えた衝撃、あるいは、
「お国のためという宗教」(105ページ)
「宗教の積極的ビジネス介入」(186ページ)
など、政治や資本主義が宗教を巧みに利用してきた経緯等、実に多岐に渡る。

私は、母親がエホバの証人であった為に、一神教が本質的に内包している矛盾について、少なくとも他の日本人よりは知っているつもりである。
その私から見ても、本書の指摘は荒唐無稽でもなんでもなく、実に説得力がある。

しかし、ここで一つ、勘違いして欲しくない事がある。
著者は、あくまでも「組織化された宗教の限界」を示しているだけであって、決して、人間の脳が本来的に持っている「機能としての信仰心」を否定している訳ではないという事だ。
機能としての信仰心まで否定してしまったら、それこそ「この世に信じられるものは何一つ無い」というニヒリズム(虚無主義)に陥ってしまう。
そうではなく、人類の過去の過ちは潔く認めた上で、「絶対者に縋るのではなく、自分の価値は自分で創造しましょう」と言っているだけである。

久々に、「会心の一冊」と呼べる苫米地本であった。
「友人が新興宗教にハマッてしまって・・・」という人がいたら、まずは自分が読み、そして相手にも勧めてみてほしい。
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