○○のプロ

《Copyright》Corey Ann

私が長年使っている、相手のモチベーションやエフィカシーを引き出す手法の一つに、「さすが、○○のプロ!!」という言葉がある。
例えば、職場の部下が、命じたワケでもないのにトイレや更衣室の掃除をしていたとする。
それを目にした時に、「さすが、掃除のプロ!!」と大声で大袈裟に褒めるワケだ。

相手にしてみれば、ただ「なんとなく」掃除していただけかもしれないし、そんな事で褒められるとは思っていないワケだから、最初はとてもビックリした表情をする。
しかし、これを習慣化すると、相手に驚くべき変化が現れる。

それは、同じ行動をする時でも、以前よりも迅速に、以前よりも堂々と行うようになる、ということだ。
つまり、それまでは「なんとなく」「恥ずかしそうに」「適当に」行っていた事でも、褒められてエフィカシーが上がる事により、「私の行動には価値がある」という事を認識できるようになるのだ。
しかし、注意して欲しいのは、褒めさえすれば文言の内容は何でも構わない、というワケではないという事だ。

最も陳腐で効果の無い褒め言葉の一つに、「偉い」というのがある。
日本語の「偉い」という言葉には、多分に自己犠牲感が伴う。つまり、「自分を犠牲にして全体の為に尽力しているから偉い」というイメージがあるのだ。
先の例で言えば、掃除している部下に対して「おっ、掃除してるなんて偉いな!」などと言おうものなら、途端に「やーめた!」という事になってしまう。
自己犠牲を継続的に求められる予感がしてしまうからだ。

それに対して、私が用いている「プロ」という言葉には能動感がある。
つまり、「自分の意思でそれに価値を見出し、責任を以って行動している」という自己肯定感が生まれるのだ。

是非とも、他人を褒める時には「○○のプロ」という表現を使ってみて欲しい。

ただし、もう一つ注意すべき点がある。
この「○○のプロ」という表現は、あくまでも、相手がそれまで「なんとなく」行っていた所作をクローズアップして褒める為の手法であり、「本物のプロ」に対して使うと、逆に失礼になってしまう事があるのだ。
例えば、弁護士に対して「さすが、弁護のプロですね!!」などと言っても、「そりゃあ、仕事ですから」という返答しか返ってこないだろう。

相手と状況を見極めて、上手に使って欲しい。
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