笑いの効用


さて、ここ十年来、医学界で「笑いがもたらす治癒力」が盛んに言われるようになった事は、皆さんも御存知の事と思う。
脳を鍛える大人の落語」(中島英雄)
ガンは自分で治せる」(安保 徹)

原理としては、体内に侵入した細菌やウィルスを攻撃する役目を担う、リンパ球の一つであるNK細胞が笑う事によって活性化し、特に癌細胞に対しては強い攻撃力を発揮するのだという。
そういった医学的な笑いの効用に関しては、既に多くの専門家が著書で報告しているので、そちらを参照していただくとして、この記事では、このブログのテーマである「脳と心」に則って、笑いが我々の日常生活にもたらす心理的な効用について述べたいと思う。

既に私のTwitter IDをフォローして頂いている方なら御存知だと思うが、私はTwitterに於いては、いわゆる「ネタクラスタ」と呼ばれるお笑いキャラを自称していて、こういったブログに書くような堅苦しい文体は一切用いずに、実にくだらないダジャレやジョークを連日のように投稿している。

http://ja.favstar.fm/users/mamorizm/status/287863620627472385
http://ja.favstar.fm/users/mamorizm/status/187434326038822912

”なぜ??”
私をフォローしてくれているユーザーに笑って貰う為である。
”何の為に??”
皆さんの日常のモチベーションを保たせる為である。

最近、脳科学の世界でハッキリと言われている定説の一つに、「人のヤル気(モチベーション)は有限である」というものがある。
これを物理脳(脳みそ)の働きとして説明するなら、神経細胞間で電気信号が伝達される際に、ナトリウムイオンやカルシウムイオンの働きを利用して信号の「受け渡し」を行っている訳だが、長時間集中して読書や会話、あるいは仕事の作業などをしていると、それらナトリウムイオンやカルシウムイオン、そしてエネルギー源であるブドウ糖が消費されて、段々と神経細胞間の信号の流れが滞ってくる為である。

誰でも経験があると思うが、一冊の本を最初から最後まで休憩無しで一気に読み切ってしまう人は、まず居ない。
最初は集中して読んでいても、30分も経つ頃には「ボーッ」としてきて、必ず菓子やジュースの類を口にする筈である。
もちろん、意識上にはなかなか上がらないが、この菓子やジュースを口にする行為は決して「胃袋」の為ではなく、上に挙げたナトリウムやカルシウム、そしてブドウ糖を補給する為に、ほぼ無意識に口にして再び「ヤル気」を起こさせるわけである。

だが、話が物理脳の問題だけで済むならば、何も苦労は無い。
菓子やジュース、あるいは鰯の煮干しを一日中食べ続けていれば、「ヤル気」は継続する筈だ。
しかし、単純にそうならないのは、人が「+α」、つまり「心の栄養」を必要としているからである。
その心の栄養として、最も簡易な方法で、かつ一日中、何度でも補給できる要素が「笑い」であると、私は主張したいわけだ。

ちょっと想像してみて欲しい。
貴方の仕事が会社の事務職で、一日中、注文伝票に記載された商品コードや請求書の金額を、パソコンに入力する作業をしていたとする。
もちろん、途中で席を立ってトイレに行ったり、ジュースを飲むなりして休憩を挟むわけだが、果たして、本当にそれだけで「やっていられる」だろうか。
そう、何かしら「感情の足しになる栄養」を補給しなければ、とてもそんな退屈な作業を八時間も続けていられるわけが無い。
大抵は「同僚との短いお喋り」がその役割を果たすが、職場の中であるという都合上、あまり大きな声は出せないし、下品な話をするわけにもいかないだろう。

しかし、である。
トイレに行ったついでに、貴方は個室で携帯電話を取り出し、Twitterにアクセスするのだ。
すると、安井 真守を始めとした、いわゆる「ネタクラスタ」の面々が、下らないダジャレや過激なジョークを飛ばしているのを目にして、思わず「クックックッ・・・」と笑い声を漏らすわけである。
かくして、トイレから出てきた貴方は、顔をニヤニヤと緩ませながら、再び「ヤル気」を起こして仕事に取り組む・・・という流れだ。

確かに、脳科学の発達によって、私達人間は「自分の目標」に向かって行動した時が、最も効率的で幸福になれる方法であるという事が明らかになっている。
しかし、実際問題として、例えば今日、職場に辞表を提出して、明日から自分で事業を興して本当に取り組みたかったビジネスを始める・・・といった事は、やはりすぐには出来ない。
今現在の職場の仕事を続けながら、起業資金を貯めるなり、具体的なスキルを身に付けるなり、あるいは人脈を築くなりと、どうしても「準備段階」を踏まなければならないのだ。
そんな「準備期間中」に、貴方の心が、仕事の疲れやパワハラ上司の謂われなき中傷によって折れてしまったら、せっかく定めた高邁なる「目標」も頓挫してしまう事になるだろう。

もちろん、「笑い」だけが唯一の心の栄養であるなどと言うつもりは無い。
人によっては、大きな声で歌う事だったり、動物と触れ合う事だったり、あるいは美しい絵や写真を眺める事だったりするだろう。
だか、もう一度、この記事の冒頭に書いた事を読み返してもらいたい。
そう、笑いは心の栄養であるばかりでなく、NK細胞を活性化させて体内の免疫力を高めてくれるのだ。
つまり、笑いとは「心と身体の両方に効く、最も簡易にして効果的な健康法」であると言える。
これを利用しない手は無いだろう。
【広告】

2 件のコメント :

  1. ヒキミトウ2013年1月12日 23:50

    マモリさんこんばんわ。
    「ガンは自分で治せる」(阿保 徹)
    となっている個所ですが、クリックしてみると著者名が「安保 徹」となっているので誤植ではないかと思いコメントします。
    お笑い芸人の方が病院へ慰問に行って、笑いで免疫力が高まったりする話はよく聞きますし、私も毎日面白い事を探して生きていますが。
    面白くないのにわざと笑う、いわゆる「嘘笑い」は脳科学的に本当の笑いと効果に差はあるでしょうか?
    よろしければマモリさんなりの考えをお聞かせください。

    返信削除
  2. >1 ヒキミトウさん
    おー、お久しぶりです\(^_^メ)
    >「ガンは自分で治せる」(阿保 徹)
    となっている個所ですが、クリックしてみると著者名が「安保 徹」となっているので誤植ではないかと思いコメントします。
    あちゃー、やってしまいましたorz
    早速、訂正しました。ご指摘ありがとうございます。
    >面白くないのにわざと笑う、いわゆる「嘘笑い」は脳科学的に本当の笑いと効果に差はあるでしょうか?
    これは、単純に効果が反映されるまでの「個人差」「程度問題」と考えて下さい。
    例えばスポーツなどもそうですが、同じトレーニングを受けても、顕著に筋肉が増えたり反射神経が向上したりする人もいれば、「まぁ、何もしないよりはマシか」といった程度の効果しか現れない人もいます。
    ただし、後者の人であっても、継続的に続けさえすれば、いずれは最初の頃と比べて「別人ように」なるのは道理です。
    大切なのは笑い声の大きさではなく「継続する事」です。

    返信削除