量よりも質??

品質管理

先日、仕事中にふと疑問に思い、思わず考え込んでしまった事がある。
それは、私たちが普段(特に消費者の立場に在る時に)、当たり前のように口にする「量よりも質」という判断基準についてである。

私のように製造業に携わる人間であれば、当然の事ながら「品質の向上」という言葉は、毎日、イヤと言うほど聞かされていると思う。
ところが、例えば千個なら千個の製品を造って売ったとして、購入した顧客全員がそれに満足し、それ以上の要望やクレームを挙げてこなければどうなるのか??

「後は、量だけを追及すれば良い」という事になる。

もちろん、実際問題として、千個の製品を造って一個も不良品が発生しないなどという事はまず無いし、仮に不良品が(その時点の品質基準で)一個も出来なかったとしても、顧客の方からは「もう少し○○にして欲しい」「もっと××なものだと思っていた」という要望やクレームは常に挙がってくるわけである。

では、つまるところ「量よりも質」という言葉は、単に抽象度の高い「最終結論」を言っているだけであり、私たちの日常生活レベルの具体度では、「先ず一定以上の量がありき」なのではないだろうか。

いわゆる「Customer Satisfaction」、つまり顧客に対する「満足度調査」にしたって、まさか一人、二人のユーザーにしか意見を求めないなどという事はなく、やる時は百人単位、千人単位でアンケートを取る必要がある。

その最大の理由は「全く同じ製品でも、使用状況が顧客一人一人違うから」。

ならば、「質」と「量」の関係は「量<質」のように式で表せるものではなく、「一定以上の『量』を抽出した時に、任意の個体AとBの『質』の違いが顕現する(認識できる)」という性質のものではないだろうか。

当たり前の話だが、A社の車とB社の車の両方を乗り比べてみなければ、乗り心地や操作性、あるいは耐久性といった「各品質項目」を検証できるわけがない。

結論として、「量より質」という言葉は「量をこなす内に、相対的に質も顕わになってくる」というのが正確な解釈ではないだろうか。


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