ネットやSNSは子どものメンタルヘルスに悪影響??


まずは、以下の記事を読んで頂きたい。

「『ネットやSNSは子どものメンタルヘルスに悪影響』との英調査結果」
http://irorio.jp/sousuke/20140519/135855/

【出典元】
Too much time on web 'gives children mental health problems'
Heavy web use harms a child's mental health

多少なりとも脳機能学・認知科学を勉強している人であれば、この記事が結果論としてはそうであったとしても、そこに至る原因や過程についての説明がまるで足りていない事にお気付き頂けると思う。

そもそも、インターネット上のウェブサイトは主に「画像」と「文字」、あとは精々、BGMや効果音等でコンテンツを構成しているのであり、「感覚の入力」としては、ほぼ「視覚」と「言語」しか使っていないわけである。
特にTwitter等のSNSに於いては、ほぼ文字のみで相手の発言の意図や意味を理解しなければならず、(皆さんも経験があるとは思うが)大人であってもその解釈に齟齬が生じる事が多々ある。

ましてや、各感覚はもちろんだが、そこから得られた情報を統合して一つの概念を構築する作業である「ゲシュタルト化」が未熟である子供にとって、「画面の向こうにおかしな奴が居て、ボクを攻撃してくる」と錯覚したとしても、それは当然の結果なのだ。

最近、漫画表現等でも似たような批判がされているが、問題の根本は「漫画だから」「SNSだから」という媒体の問題なのではなく、いずれの媒体であっても画像や文字のみの断片的な情報を部屋の中で、つまり自分一人で解釈しようとしているところに問題の本質があるのだ。

翻って、学校教育の場合はどうだろうか?

確かに「画像と文字」という構成手段だけを取り上げるのであれば、漫画も教科書も大差は無い。
しかし、教室という場所には教師という「三次元の存在」が居て、生徒達の理解度に応じて適宜、実用例や例え話などを挿んで「ゲシュタルトの補填」を行うわけであるし、あるいは教師自身の身振り手振りや「眼を見て話す」という行為が、教科書に書かれている一連の情報群に対して「説得力」を与えているわけである。

もちろん、音楽や体育、あるいは家庭科や技術科などの教科では、教科書に書かれている情報だけでなく、物理的に身体を動かして参加する事によって、聴覚、触覚、嗅覚などの他の感覚にも情報が「同時入力」されて、ゲシュタルトがより多角的で強固なものになるわけだ。

まとめると、「インターネットやソーシャルメディアの普及によって子供達がおかしくなっている」という問題の根本的な原因は、「ただでさえ、視覚と言語に偏った断片的な情報を、自分一人で解釈、あるいは運用しようとしているから起こる」と言う事ができる。

では、どうすれば良いのか??

解決策の方は実に単純で、我々、大人の方が子供達に歩み寄って話を聴き、学校の教師がまさにそうしているように「ゲシュタルトの補填」を行ってやればよいだけだ。

例えば自分の子供が、学校の友達やSNS上の知人に「おかしな話し方」をされていて、それを怪訝に思っていたとしよう。
しかし、そこで「変な奴とは関わるな」と内容を聞きもしないで切って捨てるのではなく、その友人がどんな話し方をするのかを、実際に再現してもらうわけだ。
すると、それは東北弁独特のイントネーションであったり、特定の漫画やアニメのキャラクターの独特な台詞回しだったりするわけだ。

大人の場合は、たとえ未知の知識や現象に出会ったとしても、「既知のゲシュタルトの延長」として処理する事で、なんとなくでも「推論」する事は可能である。
例えば生まれて初めてバイクに乗る場合でも、既に普通車の免許を持っていれば、道路交通法上の義務はそんなに大差が無い筈だと推論する事は容易だろう。
しかし、子供の場合は先述した「ゲシュタルト化」の能力が未熟なので、一箇所でも情報処理につまづきがあると、まるで血栓のように思考の流れがそこで止まってしまうのだ。

他人の人格や価値観に干渉しない事と、他人に全くの無関心でいる事は少し違う。
「まずは冷静に相手の話を聴き、理知的に分析する」 。
今一度、そこから始めてみよう。
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