【連載】うつ病予防マニュアル 第四回

 ②睡眠時間を長く取る

 鬱病に限らず、なんらかの心の病に苦しむ多くの人々は、大抵の場合、睡眠障害も同時に抱えており、抗鬱薬や抗精神病薬とセットで睡眠導入剤も服用しているケースが殆どである(もちろん、私も過去に服用していた)。

 「ウツで毎日やる気が起きないけど、夜は零時前に自然に眠くなり、朝は七時にパッチリと目覚めます」などという人には、これまで出会った事はない。
 はたして、生活サイクルが不規則で睡眠時間がバラバラだからウツに陥るのか、それとも、ウツに陥った結果論として体内時計が狂い、眠れなくなるのか・・・
 「鶏が先か、卵が先か」ではないが、日の出と共に起き、日没と共に休んでいた江戸時代までならいざ知らず、工場の交代勤務や二十四時間営業のコンビニ、ファミレスと、むしろ当然の様に夜間でも働いているのが現代人である。鬱病の原因を生活サイクルに求めてしまったら、大半の人はアウトになるだろう。

 では、どうすれば良いのか??

 貴方の職業が何であれ、何時から何時まで働いているのであれ、極力、睡眠時間を長く取る事だ。
 当たり前の話だが、筋肉は使わなければ疲れる事はないので、たとえ眠らなくても寝っ転がっているだけで「脳以外」は休める事ができる。
 ところが、脳だけは目を開けて「視ているだけ」でもエネルギーを消費しているので、眠らなければ休まる事はない。
 毎日、最低でも六時間以上の睡眠時間を確保する事を強くお勧めする。

 ③陽光下での軽い運動を定期的に行う

 これは物理脳の話になるので詳細は専門書に譲るが、簡単に説明すると、当然の事ながら脳にも血液が運ばれている訳である。
 脳の神経細胞(ニューロン)も、身体各部の他の細胞と同じ様に、血液中から酸素(とブドウ糖)を取り込んで活動しているわけだ。
 「何を言ってるんだ?そんなの当たり前だろう!」と思われるだろう。
 しかし、私がこう聞き返したら、貴方は今一度、脳にとっての運動の重要性を再考せざるを得ないのではないだろうか。
 「鬱病患者には圧倒的にデスクワーカーが多いのは何故か?」
 「逆に、農業従事者には鬱病患者が殆どいないのは何故か?」

 答えは「太陽光の下で身体を動かしている時間の長さの違い」だ。

 もちろん、陽光下ではなくとも、例えば室内でのラジオ体操などでも、何もしないよりはマシだ。心拍数が上がった状態を一定時間保つ事によって、脳への酸素とブドウ糖の供給量を増やすと同時に、神経細胞の成長を促す各種タンパク質の放出を引き起こす効果があるからだ。
 (参考文献「最新脳科学で読み解く脳のしくみ」Sandra Aamodt、Sam Wang著)
 しかし、それでもなお、「太陽の下」での運動を積極的にお勧めする。その根拠は、先述の睡眠にも大いに関係する事だが、太陽の光を浴びる事によって「眠りのホルモン」であるメラトニンの分泌が促されるからである。
 (参考文献「脳機能を活性化する「超」快眠術」苫米地 英人著)

【連載記事】うつ病予防マニュアル 第四回
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2 件のコメント :

  1. 素晴らしい連載だと思います。
    僕の場合、職場の上司のパワハラと同時期にプライベートでの人間関係の打撃がトリプルでやって来た結果、パニック障害を発症し、自殺を考えるほど苦しみました。現在無職を十年近く。時折短期バイトしているくらいで半ばヤケクソです。
    パニック障害と鬱病って原因が似ているような気がします。
    参考にさせて頂きます。

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  2. >1 パルさん
    どーも、お久しぶりです\(^_^メ)
    確かに鬱病もパニック障害も、共に過度なストレスが根本的な原因ですが、「症状の現れ方」という事については、パニック障害の方が心臓の動悸などを伴う分だけ「ヤバさ」があり、より深刻かもしれません。
    外出中に発作が起こったら、場所によっては命の危険がありますからね。
    これから、この連載記事で更に掘り下げていきますが、そもそも、そんな過度なストレス状態を「そんなの普通だ、我慢しろ」と無限の忍耐を強いる社会の方が異常ですので、鬱病を脱却した私が声を大にして、人々の心と、そして社会の在り方の変革を訴えていこうと思います。

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